アメリカの教育制度は崩壊していると言われていますが、それについての考察。
フェイスブック社を創業したマーク・ザッカーバーグ氏(1984年生まれ)が、ハーバード大学を中退しているのは有名な話ですが、彼の卒業した高校というと、マンハッタンのグランドセントラル駅から電車で北上して約1時間弱のところにある、ウェスト・チェスター・カウンティー(Westchester County) の、アーズリー高校(Ardsley High School)になります。
実は、もうひとり、今の米国のIT産業界を牽引する人が、このウェスト・チェスター・カウンティーの出身なのです。
このブログを読まれている方は、アマゾン社のクラウド・サービスというのをご存知でしょうか?
アマゾン社というとオン・ライン・ショップで圧倒的なシェアをもち、小売業界で一人勝ち。 大手百貨店が次々と大規模閉店を余儀なくされることになっていますが、実はアマゾン社のもう一つの事業の柱が「一般の企業にコンピュータを使ってもらい、使った分だけお金を課金」するというクラウド・サービス事業なのです。
このクラウド事業のせいで、これからはコンピュータを資産として購入する企業はなくなると言われている程、コンピュータ業界の地図を書き換えるような、業界へのインパクトが非常に大きい事業と言われています。
勿論、アメリカや日本にも、当然、IBMやHP、Dell、日本でも、FujitsuやHitachiなどのコンピュータ・メーカーが多くあって、それぞれクラウド事業を行っています。
でも、ここでもアマゾン社が'ダントツの一人勝ち' なのです。
もちろん、アマゾン社を設立したのはジェフ・ベーゾス氏でプリンストン大学の出身ですが、このアマゾンのクラウド・サービスを立ち上げから今日まで育てあげたのが、アンディー・ジェシー氏(1967年生まれ)です。
このアンディー・ジェシー (Andrew Jassy) 氏の出身校が、同じくウェスト・チェスター・カウンティー(Westchester County) にある、スカースデール高校(Scarcedale High School).
スカースデールは、日本企業から海外派遣で赴任されたご家庭のお子様が沢山通う学校区で、多くの日本の方にも馴染みの深い地域すが、アーズリーは、その隣り町になります。
車で10分くらいで行き来できますし、マンハッタン行きの電車の駅は、どちらの地区からも同じ駅を使います。(線路をはさんで東と西という位置関係です。)
アンディー氏は、スカース・デール高校を卒業後、ハーバード大学と同大学院を"卒業"し、設立してまだ3年のアマゾン社に入社。 ゼロから事業を立ち上げて、2017年末で、$17.5 billion (約 1.9兆円)の売上にまで事業を育てげました。2018年現在では、アマゾン社の副社長も務めています。
マーク・サッカーバーグ氏のご両親は、精神科医と歯科医師。 アンディー・ジェシー氏は、有名なマンハッタンの弁護士事務所のパートナーを務める父親のご家庭に育てられています。
勿論、ハーバード大学に入学するくらいですから、ご家庭が裕福なのは間違いありませんが、そういう方は、ごく限られた狭い地域に住むという、アメリカの住宅事情を良く表していると思います。
そして、この両名がともに、高校までは受験なしに進学できる隣接した公立高校で、共に高校卒業後はハーバード大学に進学し、その後、産業を変えてしまうような大きな仕事をするというのは、本当に驚きです。
(幕末の志士といわれる人が、みんな山口県の萩出身というイメージに近いでしょうか。それほど、狭い地域です。)
アメリカの教育制度は崩壊していると言われますが、実は、ある一部のエリアの優秀な生徒は、公立高校に行っても、きちんと一流大学まで進学し、米国経済を牽引する仕事をしているということは、注目するべきだと思います。
(参考)
2017年時点で、Facebookの売上高は、$40 billionです。 先輩のアンディー氏としては。少し後輩に負けていますが、年間何兆円の売り上げの事業を率いているのですから、問題になりませんね。
Westchester Countyの公立高校出身(Ardsley高校とScarcedale高校)のこの2人で、年間 売上 6.3兆円の産業を新たに作りあげ、米国経済を牽引しているのですから、アメリカというのは驚くべき国です。
(ただし、2人とも育ちは東海岸でも、事業は西海岸というところも、今のアメリカをよく表していると思います。)
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