ジェフ・ベーゾス氏が、株主に送ったレターの中に記載した、アマゾン社が「大企業病をさけて成長を続ける為に重要なこと」の、後半部分になります。
レターの冒頭部の「アマゾンが大企業病で消滅しない為に (1) 」からお読みいただくと、このページの内容が、更に良く理解できるかと思います。
◇◇◇ Letter to shareholders (続き) ◇◇◇
High-Velocity Decision Making
(高速の意思決定)
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Day 2 companies make high-quality decisions, but they make high-quality decisions slowly. To keep the energy and dynamism of Day 1, you have to somehow make high-quality, high-velocity decisions. Easy for start-ups and very challenging for large organizations. The senior team at Amazon is determined to keep our decision-making velocity high. Speed matters in business – plus a high-velocity decision making environment is more fun too. We don’t know all the answers, but here are some thoughts.
Day 2 の会社は質の高い医師決定をします。 しかし、質の高い意思決定をゆっくりします。 Day 1のエネルギーとダイナミズムを保つためには、質の高い意思決定、高速の意思決定をしなければいけません。 アマゾンの幹部チームは意思決定を超高速で実施することに決めました。 ビジネスでは、スピードが重要です。 加えて、高速の意思決定をする環境は楽しくもあります。 まだ全ての答えは分かっていませんが、いくつか考えていることを書きます。
First, never use a one-size-fits-all decision-making process. Many decisions are reversible, two-way doors. Those decisions can use a light-weight process. For those, so what if you’re wrong? I wrote about this in more detail in last year’s letter.
最初に、1つで全てに当てはまるような意思決定プロセスを使ってはいけません。 多くの意思決定は、ひっくり返すこととのできる、両交通のドアなのです。 これらの意思決定は、軽めのプロセスで良いのです。 これらで、もし間違ったら。 これは去年の株主へのレターで、詳しく書きました。
Second, most decisions should probably be made with somewhere around 70% of the information you wish you had. If you wait for 90%, in most cases, you’re probably being slow. Plus, either way, you need to be good at quickly recognizing and correcting bad decisions. If you’re good at course correcting, being wrong may be less costly than you think, whereas being slow is going to be expensive for sure.
2つめは、多くの意思決定は、知りたい情報の70%しか得られていない状況でなされる、ということです。 もし90%まで待ったら、多くの場合、貴方は遅れてしまっています。 それに、 どちらにしても、途中で進路を変更するのが上手であれば、間違ったことのコストは、貴方が思っているほど高くありません。 一方で、遅いということは、コストは確実に高くつく、ということです。
Third, use the phrase “disagree and commit.” This phrase will save a lot of time. If you have conviction on a particular direction even though there’s no consensus, it’s helpful to say, “Look, I know we disagree on this but will you gamble with me on it? Disagree and commit?” By the time you’re at this point, no one can know the answer for sure, and you’ll probably get a quick yes.
3つめは、“同意しないで、コミットする”という言葉をつかうべきです。 このフレーズは。沢山の時間を節約できます。 ある一定の方向に、コンセンサスが得られていないのに確信している場合、こういうと良いのです。“いいですが、この問題でお互いに合意できないということを理解しています。 でも、私とこれについて賭けてみませんか? 同意しないが、コミットしませんか?” こういう時点にくるまでに、誰も確実な答えは分からないのです。 きっと、すぐに“Yes”という回答が得られるでしょう。
This isn’t one way.
これは1つのやり方だけではありません。
If you’re the boss, you should do this too. I disagree and commit all the time. We recently greenlit a particular Amazon Studios original. I told the team my view: debatable whether it would be interesting enough, complicated to produce, the business terms aren’t that good, and we have lots of other opportunities.
もし、上司であれば、貴方もこうすべきです。 私は、同意しませんが、いつもコミットしています。 私は最近、あるアマゾン・スタジオのオリジナルについて推進許可を出しました。 私はチームに、充分に面白いのか、製作が複雑だとか、ビジネス用語は良くないとか、他にも沢山のチャンスがあるとか、そういう議論の多いところを伝えました。
They had a completely different opinion and wanted to go ahead. I wrote back right away with “I disagree and commit and hope it becomes the most watched thing we’ve ever made.” Consider how much slower this decision cycle would have been if the team had actually had to convince me rather than simply get my commitment.
彼らには全く違う意見があり、前に進みたいとおもっていました。 私はすぐに、“私は不同意だがコミットしましょう。 これが、最も視聴率を得られるものになることを期待しています。”と書き送りました。 もし、チームが、私のコミットメントをとるだけではなく、私の同意を得なければいけないとしたら、意思決定がどんなに遅いものになったか、考えてみてください。
Note what this example is not: it’s not me thinking to myself “well, these guys are wrong and missing the point, but this isn’t worth me chasing.” It’s a genuine disagreement of opinion, a candid expression of my view, a chance for the team to weigh my view, and a quick, sincere commitment to go their way. And given that this team has already brought home 11 Emmys, 6 Golden Globes, and 3 Oscars, I’m just glad they let me in the room at all!
注意すべきは、ここで私が、内心、“この連中は間違っていて、大事な点を見過ごしている。 でも、私自身がこの問題を追いかけるほどの価値はない。” と考えているわけではない、ということです。 それは、本当に意見の相違であって、私の正直な意見の表明、チームが私の意見について考える機会であって、彼らのやり方に、迅速で、心からのコミットメントを送っているのです。 そして、このチームが既に11個のエミー賞、6個のゴールデン・グローブ賞、3個のオスカー賞を持ち帰ってきていることを考えれば、彼らが私を部屋に入れてくれるだけで、光栄なのです。
Fourth, recognize true misalignment issues early and escalate them immediately. Sometimes teams have different objectives and fundamentally different views. They are not aligned. No amount of discussion, no number of meetings will resolve that deep misalignment. Without escalation, the default dispute resolution mechanism for this scenario is exhaustion. Whoever has more stamina carries the decision.
4つめは、本当のズレを初期の段階で発見し、上部に直ぐに報告することです。 よくそれぞれのチームは、違う目的をもっていて、物事に関して、違った見方をしています。 いつも、同じ方向をみているわけではありません。 繰り返しの議論、繰り返しのミーティングでは、方向性を同じにすることはできません。エスカレーションなしの、基本的な意見調整のメカニズムでは、疲弊するだけです。 誰か、スタミナがあるものが勝つだけです。
I’ve seen many examples of sincere misalignment at Amazon over the years. When we decided to invite third party sellers to compete directly against us on our own product detail pages – that was a big one. Many smart, well-intentioned Amazonians were simply not at all aligned with the direction. The big decision set up hundreds of smaller decisions, many of which needed to be escalated to the senior team. “You’ve worn me down” is an awful decision-making process. It’s slow and de-energizing. Go for quick escalation instead – it’s better.
私はアマゾンで、このような例を沢山見てきました。 私たちの製品に直接競合する第三者の売り手を引き込もうとした時もそうでした。 これは大きなものでした。 多くの聡明で、目的意識の高い亜マゾにアンでさえ、方向性を合わせることは全くできませんでした。 大きな決断は、上級チームにエスカレーションしなければならないような小さな意思決定から成り立っています。 “すっかり参ってしまった。”という意思決定は、最低の意思決定プロセスです。 遅いうえに、活力がなくなります。 そうではなく、直ぐにエスカレーションするべきです。 その方が良い。
So, have you settled only for decision quality, or are you mindful of decision velocity too? Are the world’s trends tailwinds for you? Are you falling prey to proxies, or do they serve you? And most important of all, are you delighting customers? We can have the scope and capabilities of a large company and the spirit and heart of a small one. But we have to choose it.
貴方は意思決定の品質だけを気にかけていますが? それとも意思決定のスピードにも充分に気を付けていますか? そして世界のトレンドは追い風になっていますか? 権威主義に陥っていませんか? それとも権威は、あたなの役に立っていますか? 大きな会社のカバレッジと能力、小さい会社のsピリットとハートを持つ事ができます。 でも、選ばなくてはいけません。
A huge thank you to each and every customer for allowing us to serve you, to our shareowners for your support, and to Amazonians everywhere for your hard work, your ingenuity, and your passion.
顧客の皆さん、私たちにサービスを提供させてくれて、株主の皆さんはサポートしてくれて、そしてアマゾニアンの皆さんの勤勉な努力、独創性とパッションに、本当に感謝します。 ありがとうございます
As always, I attach a copy of our original 1997 letter. It remains Day 1.
例年の通り、1997年のコピーも添付します。 Day 1 を忘れないように。
Sincerely,
Jeff
Jeffrey P. Bezos
Founder and Chief Executive Officer
Amazon.com, Inc.
◇◇◇ End of Letter ◇◇◇
如何でしたでしょうか? ジェフ・ベーゾス氏が類い稀なビジネスマンなのは、彼は考えるだけではなく、実際に考えを実践 (Implement)しているからでしょう。 もちろん、実践の方法が失敗だと思えば、すぐにやり方を変更します。 こうしたところが、アマゾンが注目される企業であり続ける
理由なのでしょう。
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