アマゾン社の起業を成功させたジェフ・ベゾス氏が、自分の人生観とこれから始めるBlue Origin(ブルー・オリジン)のロケット開発や宇宙関連開発事業について、アマゾンの創業と共に熱い思いを語っています。 1986年にプリンストン大学を主席で卒業することになった彼は、卒業式で卒業生代表としてスピーチをしています。 彼は、このスピーチで“宇宙”の事しか語らなかったと言っています。
スピーチの締めの言葉は “Space, it’s the last frontier. Meet me there! (宇宙、最後のフロンティア。そこで会いましょう!)” だったと言います。
それほどの宇宙大好き少年だったベゾス氏が、どういう思いで宇宙関連事業を始めるのか? 彼の人生観と共に語ります。
◇◇◇ Quote ◇◇◇
Stasis is going to be very dull.
(停滞とは、どんくさく退屈になるということです。)
You don’t want to live in the stasis world.
(そんな停滞な世界に住みたくありません。)
◇◇◇ In the Context ◇◇◇
So, your rocket company, Blue Origin. It’s really taking off doing well. How do you see that company evolving in the future, future of the space? Anything do you want to share?
貴方のロケットの会社、ブルー・オリジンについてです。 上手く動き始めましたね。 将来、この会社がどのように宇宙に発展してくと思いますか? 何か、皆さんに伝えたいことは?
So, first of all, I love space. I have been a space lover since I was 5-year-old boy. And I feel like I won the lottery with Amazon. I know I won the lottery. And now I’m investing those lottery winnings in Blue Origin, which is the space company.
最初に、私は宇宙が大好きです。 5歳の男の子のころから宇宙大好き少年でした。 私はアマゾンで宝くじに当たったと思っています。 宝くじに当たったのです。 それで、この宝くじに当たった賞金を、宇宙開発のブルー・オリジンに投資しているのです。
We’re building,, we are flying a suborbital tourism vehicle. And we’ll start taking people up hopefully in 2018, that’s coming right up, working out for more than 10 years. Hopefully. This overnight success is taking longer than 10 years. I don’t know. We’ll see.
私たちは、観光用の準軌道衛星を飛ばそうとしています。 希望としては2018年から、皆さんを宇宙にお連れできたらと思っています。まさにやっているところです。 この一晩での成功は10年以上かかっています。 まって、まだ分かりませんね。
You know, we are also building an orbital vehicle called new Glen, new Shepard. New shepard is named for Alan Shepard, the first American in space. He went on several suborbital journeys. New Glen is named after the American hero, John Glenn, who was the first American to orbit the earth. So, these are both reusable boosters, fully reusable. That’s the key to lowering the cost.
それかれ、ニュー・グレン、ニュー・シェパードという軌道衛星も建設しています。ニュー・シェパードは、アラン・シェパードから名づけました。アメリカで最初の宇宙飛行士です。 彼は何度か、準軌道への旅をしました。 ニュー・グレンはアメリカのヒーロー、ジョン・グレンに因んでいます。 彼は、アメリカで初めて地球の軌道を周回した人です。 そして、再生利用可能なブースターを作っています。 それが、コストを下げる鍵です。
Our vision of Blue Origin is that we want millions of people living and working in space. And my personal hope is that I live long enough to see the kind of dynamism in space. I want to see a whole economy, entrepreneurs in space that I got to witness over the last 20 years on the Internet.
ブルー・オリジンのビジョンは、私たちは何百万という人が宇宙で住んだり、働いたりできるようにしたい、ということです。 そして個人的な希望としては、私は充分に長生きして、その宇宙でのダイナミズムを見てみたい、ということです。 私は、全体のエコノミーを見てみたいのです。宇宙での起業家とか。 過去20年、インターネットに関して見てきたように。
You know, the problem being an entrepreneur in the space arena is that the price of admission is so darn high. So, to do interesting things, you know kind of the beginning entry level is a few hundred million dollars. So, you’re not going to get, you know, two kids in their dorm room, doing something amazing in space, whereas that’s literally what happened to Facebook.
宇宙関連の起業家になることの問題点は、初期の費用がメチャクチャに高い、ということです。 ですから面白いことをしようとしても、最初のエントリー・レベルのものでも、何百億ドルとかかります。 ですから、大学の寮で2人の子供が、宇宙関連で何か素晴らしいことをする、なんて出来ないのです。 でも、それがフェイス・ブックには起こったことです。
So, on the Internet, because the price of admission is so low, you can get these amazing experiments, where like one kid in the dorm room does something and turns it into Facebook. Or, you know, in Amazon’s case, you know, I started this thing with an incredibly small amount of capital. And it was able to grow, because we didn’t need a lot to get to begin with. The heavy lifting was in place for Amazon, right? So, I didn’t need to build a transportation network.
インターネットでは、初期費用が少なくすみますから、素晴らしい実験をすることができます。 例えば一人の子供が寮の一室で何かを作り出し、後にフェイス・ブックになるとか。また、アマゾンの場合、私は驚くほど少ない資本金で始めました。 でも、成長させる事が出来たのは、最初に巨大な投資を必要としなかったからです。 それらの力技は、アマゾンの時には既に存在していたのです。 ですから、私は物流ネットワークを作る必要はありませんでした。
It existed already. It was UPS, and the Royal Mail and the US Postal Service and Deutsche Post, and so on and so on. I didn’t have to build a telecommunications backbone to connect with my customers. It was there. It was called the Internet. And in fact, the internet was resting on top of the long distance phone network at the time. You guys remember the dial-up modems. Some of you do. Some of you were too young to,,, you love, you should go to a museum and see a dial-up modem.
既にあったからです。 UPSとか、ロイヤル・メール、US 郵便サービス、ドイツ郵便とか。 顧客とつながる為に、電話基幹網を作るということも必要ありませんでした。 インターネットというものが、既にありましたから。実際、インターネットは、当時、長距離電話のネットワークを使っていたのです。 皆さんはダイアル・アップのもモデムを覚えていますか? 何人かはいますね。 何人かは、若すぎでしょう。 博物館に行ってダイアル・アップのモデムを見た方が良いですよ。
So, I recently showed a group of youngsters a payphone. I came across one. And I was like, “My God, guys! Come over here! This may be the last one. You have to see it.” And so, you know, the point is that Amazon was got to rest on top of. We didn’t have to build a payment system. I already existed. It was called the credit card. Computers were already on every desk, thanks to Mircosoft, IBM and Apple. And what they were used for was to play games, not to buy things on Amazon. And so, all that heavy lifting was in place.
私は最近、若者たちに公衆電話を見せたのです。 たまたまあったので。 “皆、ここに来て。 これが最後のものかもしれない。 見なきゃだめだよ、”って。 ですからポイントは、アマゾンは、これらの上に作られたということです。私たちは、ペイメント・システムも作る必要がありませんでした。 クレジット・カードというものがあったからです。 コンピューターは、マイクロソフトやIBM,アップルのお蔭で、既にどの机の上にもありました。 でも、それは大概、ゲームをするためで、アマゾンで買い物をする為ではありませんでしたが これら全ての力技は既に存在していたのです。
And my greatest, I would have such a good feeling if I could be an 80 year-old-guy and laying there, thinking about my life. If I could say, “Look. There is now, a bunch of entrepreneurs in space, because I took my Amazon lottery winnings and built the heavy lifting infrastructure that does take billions of dollars in capex to lower the cost of access to space. ” That’s how you get millions of people living in the orbit. And by the way, we need that for those of you who like to think about the future, at all, you can do a simple calculation.
そして最大の、、もし、80歳になって時間が出来て、人生を振り返ったとき、「ほら、今は、凄く沢山の起業家が宇宙にいるでしょう。それは、私がアマゾンで当てた宝くじを使って、巨額の資本金が必要になるインフラを作って、宇宙へアクセスするコストを下げたからだよ。」と言えたら、どんなに気持ちが良いでしょう。 こうすることで、何百万という人々が軌道で生活できるようになるのです。 ところで、これは未来を考えたい人には必要なことです。 単純な計算をしてみましょう。
You know, we can argue about what limited resources on earth and so on and so on. But here’s the calculation that you cannot argue with, which is you take current base line energy usage on earth, compound it. It’s just a few percent a year for just a few hundred years. And you have to cover the entire surface of the earth, and solar cells. So, you have to,,, we are going to have to decide, do we want a society of pioneering, invention, expansion, growth? Or do we want a society of stasis? And personally I believe because the earth is finite and if you want a society of stasis, I think it’s good for,,, First of all, I don’t personally believe the stasis is even compatible with freedom. So I think for me that’s a big problem.
勿論、地球の資源について、どれだけ限りがあるのかは議論のあるところです。 でも、この計算は、誰も反論できません。 例えば、現在の地球のエネルギー消費のベースラインを利率計算してみてください。 たった数パーセントを数百年間分計算するだけで、地球上の全ての表面をソーラー・セルで覆わなくてはならなくなります。 ですから、決めなくてはいけないのです。 発展させて、発明し、拡大し、成長していく社会が良いのか。 停滞する社会が良いのか。 個人的には、地球の資源に限りがあるからこそ、そして、停滞する社会が良いのなら、、、 そもそも、停滞などというのは、自由と共存できるのかさえ疑っていますが、、ですから、私には、これは非常に大きな問題です。
Second of all, it’s going to be a dull. Stasis is going to be very dull. You don’t want to live in the stasis world. And so, of course, we’re going to continue to get more efficient, too. We have been for hundreds of years we’ve been getting more productive, more efficient. That’s that trend is going to continue.
2つ目は、‘どんくさく退屈’ (Dullとは、本来、鈍る(なまる)とかの意味)になる、という事です。 停滞とは、非常に‘どんくさく退屈’になります。 こんな世界に生きたくないでしょう? 勿論、効率はあげていきます。 より生産的で、より効率的になるように、過去何百年もしてきたように。 この傾向は続くでしょう。
But even so, we’re going to want to use more energy, more energy per capita. And also, I don’t want to stabilize population. I would love to view trillions of humans in the solar system. With a trillion humans, we would have thousand Einsteins and a thousand Morzarts. It would be an incredible sizzle. Don’t you want that dynamism. It would be so much worth it.
そうであっても、もっとエネルギーを使いたいし、一人当たりのエネルギーも必要です。 人口を抑制したいとは思いません、何兆もの人類が太陽系にいるのがみたいのです。 何兆も人がいれば、何千ものアインシュタインが出てくるでしょうし、何千ものモーツァルトも出てきます。 もの凄くドキドキするような事です。 こういうダイナミズムが良くないですか? それは非常に価値があることです。
This is for your great-great-great grandchildren. But what kind of world you want them to live in. I want them to live in that expansive world, that is, you know, learning more about the universe, and moving out throughout the solar system, so that we have to do it. And anyway, so it’s fun to work on that.
これは、孫の孫の孫の為です。 皆さんは彼らにどんな世界に住んでもらいたいですか? 私は彼らに、拡大する世界に住んでもらいたいです。 そして、宇宙や世界についてもっと学び、太陽系全体を移動しているような世界に住んでもらいたいのです。 だから、しなければならないのです。 それに、なによりも、こういうことは面白いですし。
And you know, I get,, I have,, I won so many lotteries in my life. I have the best parents in the world. My mom, Jackie, and my dad, Mike. My mom had me when she was 17 in Albuquerque, New Mexico. She was still in high school. It was not cool. And she did an amazing job. My dad, Mike, is a Cuban immigrant who came here when he was 16 without his parents did an amazing job. So those are the things that are your little gifts in life. You get sometimes you get, my greatest admiration, by the way, is withheld for those people. And I know several of them who had terrible parents, and still somehow made it through. That’s hard. I had the opposite. So, I got lucky.
ご存知のように、私は人生で沢山の宝くじに当たりました。私には世界で最高の両親がいました。 母は、ジャッキー、父はマイクといいます。 母は17歳の時、ニューメキシコ州のアルバカークで私を身ごもりました。 彼女がまだ高校生だったころです。 かっこ良いとは言えません。 でも、素晴らしいことをしたのです。父のマイクは、キューバからの移民で、16歳の時、彼の両親もなしに、素晴らしいことをしたのです。 これらは人生からの小さな贈り物です。 時折、、、これは私への最高の宝物です。 たまに、こういう宝物に恵まれない人もいます。 何人かには、ひどい両親がいる人を知っています。 でも、彼らは、どうにか乗り越えています。 それは、大変なことです。 私は正反対でした。 非常に幸運でした。
◇◇◇ End ◇◇◇
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