2018年3月29日木曜日

ダイソン 創業者 (1) : James Dyson 掃除機から始めた理由

サイクロン式掃除機が、彼にとって何故、大切であったのかを語っています。(本人動画、英語、日本語訳で紹介しています。) 

今回ご紹介する発言からも、彼の製品開発は、エジソンの研究方法と似ていると言われる理由が良くわかります。 エジソンは日本では偉人と言われていますが、米国では必ずしも全面的に称賛されている訳ではありません。 特にエジソン氏の研究方法は古く、現在の研究方法では通用しないと言われていました。 ダイソン氏は、正にこの古い研究方法で画期的なサイクロン式掃除機を開発したのですが、彼の物づくりにかける執念が、よく伝わってくるインタービューだと思います。



1947年生まれの Sir. James Dyson卿。 彼は最初に美術学校に入学。その後、1年で家具などのインテリア・デザインをRoyal College of Artで勉強します。

その彼が、工業デザイン・エンジニアとして成功する最大の理由となる、彼の物づくりへのこだわりと情熱が語られます。




 
◇◇◇◇◇ Quote ◇◇◇◇◇
 
 I rushed home and built a very crude prototype, which appeared to work.  And I got excited and decided to devote my life to vacuum cleaners.
 

家に急いで帰って、ラフなプロトタイプを作りました。 
うまくいきそうだったので、私の人生を掃除機にかけることにしました。


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◇◇◇◇◇ Context of the Quote ◇◇◇◇◇
 
質問 1 :なぜバキューム・クリーナーだったのでしょうか?

I've used a vacuum cleaner as a small boy and remember this screaming noise, the smell of stale dog and stale dust and having to bend down and pick things up. And now I'm 28 and I've got my own family in house and I buy what is the most powerful vacuum cleaner in the world, and I go home and I smell stale dog, screw,, I get a screaming noise and I am bendig down to pick things up that it's not been here. So, you know, I got quite angry.

小さい頃から掃除機は使っていました。 そして、叫び声のような騒音やむっとするような犬のような臭い、ほこりの臭い、そして、何かを拾おうと屈まなくてはいけないことを覚えていました。
28歳になって、家に自分の家族もできたので、世界で一番強力な掃除機を買って家に帰りました。すると、むっとする犬のような臭いとか、叫ぶような騒音とか、ものを拾うために屈むとか、買う前にはなかった事態が、家の中に発生しました。

One Saturday, I decided to take  the machine to bits. I tried to understand it and to see what the problem was. And what I realized was that  I'd been pretty stupid. I thought the dust just got deposited in the bag and the suction was dependent on the strength of the motor.

土曜日に、掃除機を分解することにしました。 問題が何かを理解するためです。 そして気が付いたのは、自分が本当にばかだったということです。 自分は、ごみは袋の中に入るもので、吸引力はモーターのパワーに依存すると思っていたのです。


What I realized that Saturday was that all the dust went into bag and the air with it. So the air had to go through  the bag, but the bug pause, which the air had to supposed to go through and get clogged very quickly with the first dust that goes into the bug. So that stops the air flow. The stopping the air flow stops the sunction on the floor.

土曜日に理解したことは、ごみは袋に空気と一緒に入る、ということです。 だから空気も袋に一緒に入らなければいけない。 でも、バッグは、空気を通さなくてはいけないのに止めてしまいます。 そして、最初のごみが入った時に、すぐに詰まってしまいます。 それで空気も止まってしまいます。 空気の流れが止まってしまうと、床の吸引も止まってしまいます。

So, it doesn't matter how strong your motor is., the bag blocks the air flow, and so blocks the ability for it to pick up.

だから、モーターの強さは関係なかったのです。 袋が空気の流れを止める、そしてごみを拾う能力を妨げるのです。

So, and I thought well this is pretty terrible. This is a product that loses massive amount of its performance really quite quickly. You know, it's 50% of its sunction after 10, 20 minutes.
And there is no other product like that.  A light bulb gives you 100 watts until it goes pop and your car goes 70 miles an hour down the road until there's a major catastrophe. I couldn't think of any product which performs so badly.

「これはひどいな」と思いました。 この製品は、急激にパフォーマンスを落とすんだと。 10分、20分で、吸引力は50%になります。 他にそんな製品はありません。 電球は、切れるまで100ワットで光りますし、車は壊れるまで時速 70マイルで走ります。 こんなパフォーマンスの悪い製品は他に見たことがありません。

So, the thought was nagging in my mind and then I went to a lumberyard and saw a cyclone on the roof. This huge 30-foot high cyclone with lots of ducting collecting dust of the saws and air flows.

これはいつも頭の中に残りました。 そこで、私は削木工場にいきました。 そして屋根にサイクロンがあるのに気が付きました。 30フィートの高さのと沢山の吸気口があるサイクロンが切りくずのほこりと空気を吸っているのです。

And I realized that this thing was not clogging. It wasn't blocking air float. It was spinning the dust out of the air stream. The clean air was going out of a chimeny out of the top. So, I wonder why system wasn't used for the collection of dust inside vacuum cleaners. So, I rushed home and built a very crude prototype, which appeared to work.  And I got excited and decided to devote my life to vacuum cleaners.

そして、これは詰まらないということに気が付きました。 空気の流れを邪魔していません。 空気の回転する中から、ほこりを、放出しているのです。 上から綺麗な空気が出ていました。 そこで、
家に急いで帰って、ラフなプロトタイプを作りました。 うまくいきそうだったので、私の人生を掃除機にかけることにしました。
 
◇◇◇◇◇ End ◇◇◇◇◇
 
このJames氏の発言は、問題を発見する。 そして解決の為のアイディアが閃いたら、試してみることの重要さを教えてくれているように思います。 彼は、この「試してみる」ことの重要性を色々な機会に述べていますし、実際に今の製品開発も、同じように試作品の修正を繰り返しています。

価格は決して安くありませんが、他の追随を許さないデザインと性能を誇るダイソン製品のファンは多いでしょう。 イギリスでは、ダイソン卿のことを、イギリスのスティーブ・ジョブズ、と呼ぶ人もいます。 それほど、彼の物づくりへのこだわりは、世界中からの共感を得ています。




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