2018年3月27日火曜日

Apple創業者 スティーブ・ジョブズ(2): Bicycle of Mind (心の自転車)

みんなの印象に強く残る名言を残し続けたジョブズ氏は、マーケティングの天才と言われていました。 今回、ご紹介する彼の名言は、1990年のインタビューから。  まだ、ようやく個人がパソコンを買い始めた頃で、パソコンで文書をかけるようになったり、Excelのような計算ソフトが出始めた頃に撮影されたものです。”高価なおもちゃだ”と批判する人も沢山いました。

 

こんな時代に、スティーブ・ジョブズ氏は、インタビューの中で、「どうして人はパソコンに魅了されるのか?(買うのか?)」という質問を受けます。


ネットワークも、まだインターネットは世の中に出てきていません。 ようやく1200bps程度の通信スピードで、ごく限られた人が、字だけのパソコン通信というものを始めたような時代でした。

まだ世の中に出始めたばかりのパソコンが、何の役にたつのか、はっきりしない時代。
皆さんが、パソコンを開発・製造する会社の社長だったとしたら、どう答えますか?

スティーブ・ジョブズ氏はこう答えました。


◇◇◇◇◇  Quote ◇◇◇◇◇

 

Computer has always been a bicycle of the mind.

(コンピュータはいつもこころの自転車です。)

 

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◇◇◇◇◇  Quote in the Context◇◇◇◇◇

I remember reading an article when I was about 12 years old. I think it might have been Scientific American, where they measured the efficiency of locomotion for  all these species on planet Earth.
How many kilocalories do they expend to get from point A to point B.

12歳の頃、雑誌の記事を読んだのを覚えています。 たしかサイエンティフィック・アメリカだったと思いますが、その記事は、地球上の生物が、どれくらい効率的に移動できるかを測定していました。 A地点からB地点に移動するのに、どれくらいのキロ・カロリーを消費するか、というものです。


And Condor one came in to the top of the list, surpassed everything else. And humans came in about a third of the way down the list, which was not not a great showing for the crown of creation.

コンドルがリストの一番上に来ました。 人間は、リストの下に向かって3分の1のところあたりでした。 生物の王様である人類にとって、あまり良い順番ではありません。


And, but somebody there had the imagination to test the efficiency of human riding a bicycle. Human riding a bicycle blew away the Condor, all the way off the top of the list.

でも、編集者の誰かにイマジネーションがあって、自転車に乗った人間と比較しました。 自転車に乗った人間は、コンドルなんて問題になりませんでした、断然、リストの一番になりました。


And it made a really big impression on me that humans are tool builders and we can fashion tools that amplify these inherent abilities that we have to spectacular magnitudes.

これは、人間は道具を作れるんだ、ということを、私に強く印象つけました。 私たちは、自分たちが生まれながらにもっている能力を、もの凄いレベルにまでもっていけるよう、増幅させるツールを作ることができる。


And so for me, a computer has always been a bicycle of the mind, that takes us far beyond our inherent abilities.

だからコンピューターは、自分にとっては、私たちが生まれながらにもっている能力よりも、遥かに連れて行ってくれる、こころの自転車なのです。 


And I think we're just at the early stages of this tool, very early stages and we've come only a very short distance. And it's still in its formation but already we've seen enormous changes. I think that's nothing compared to what's coming in the next hundred years.

私達は、このツールの最初のステージにいます。 本当に最初のステージです。 そして、ちょっとだけ前進しました。 まだ、枠組みの段階です。 でも、大きな変化を目にしています。 それは、今後の100年間で来るであろうもとと比べると、なんでもありません。


◇◇◇◇◇  Quote End ◇◇◇◇◇

このQuoteから思うことは2つ。

1つは、この記事を書いたサイエンス・アメリカの編集者についてです。 

皆さんは、子供のころ図鑑で人間と他の動物の能力の比較を見たことはありませんか? 「チーターは人間の何倍速く走れるか」、とか、「イルカは人間の何倍速く泳げるか」、とか。

でも、そこに、人間が道具を使った場合の比較はなかったように思います。 きっと、図鑑の編集者も「人間が道具を使ったら生物の能力比較にならない」と思ったかもしれませんし、校閲の段階で、誰かに削除されていたかも知れません。

でも、そういう ”イマジネーション” を働かせて比較してみる、という事は大事なことですね。 大人の立場であれば、形に囚われずに、こういった子供たち(や大人達の)の好奇心を刺激できるように、いつも心がけたいものです。


2つめは、やはりスティーブ・ジョブズ氏。 この発言のように、みんなを引き付けるような受け答えができるように、いつも、自分の引き出しを増やせるよう努力しないといけませんね。

いえ、スティーブ・ジョブズ氏にとっては、これは本当に思っていたことで、単なるマーケティングのための受け答えだけではないのかも知れません。 そういう純粋さが、多くの人を彼に引き付ける魅力の1つなのは、間違いありません。



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